ホーム  |  日経ストラテジー連載  |  
 
小売業におけるFSPの実現
第1回「まず上位顧客からはじめよう」
なぜ上位顧客なのか
上位顧客を優遇するとどうなるのか
上位顧客にどんな対応をすればよいのか
第2回「セグメンテーション-その1」
第3回「セグメンテーション-その2」
第4回「アクションプラン−データ分析に基づく施策」
第5回「アクションプラン−カードの運用に基づく施策」
最終回「アクションプラン−インセンティブ」
   


関連リンク
 

 

小売業におけるFSPの実現

顧客中心の企業戦略:第1回「まず上位顧客からはじめよう」

 1.はじめに
ビジネス環境と消費者の購買行動の急激な変化に対して、今まさに企業が取り組むべきテーマとしてのCRMシステムの構築について、流通サービス業の立場で、そのデータ分析と活用方法について考えてみたい。
カードシステムが単なるインセンティブのツールではなく、真の顧客満足を目指した仕組みとして生かされるためにはこれから何をなすべきなのか、どのように情報を活用すればいいのか、といった疑問に対し、次に取り組むべき課題へのアプローチ方法を考えてみたいと思う。
●まず上位顧客から始めよう
CRMの成果を早く実現するには、まず上位顧客に焦点を絞り、大切な得意客対応に経営施策の優先順位をおいて、その顧客との関係を大切にすることから始めてみるのがよいだろう。詳しくは後述する。

●二つの切り口からのアプローチ
FSP/CRMには二つの切り口があって、その一つがインセンティブの仕組みである。これは、購入金額に応じて顧客に景品やサービス券などのインセンティブを提供するというもので、それによって顧客の来店促進が期待でき、購入のリピートによって顧客のロイヤルティが高まり、固定化が図れるとされている。
もう一方の切り口は、そのようなインセンティブシステムによって入手できた顧客データを活用して、更なる顧客満足のため、ニーズに的確なアプローチを図っていこうとするものだ。

●仮のロイヤルティを本物にするには
切り口の前者であるポイント還元のメリットによって顧客のロイヤルティが高まるのは、ただ単にインセンティブの見返りを期待しているからにすぎず、本当の意味でのロイヤルティの構築にはなっていないだろうと考えられる。
こうした'仮のロイヤルティ'を本物にするためには、後者の顧客の購買データ分析に基づくアクションプランが実際に機能をして、個々の顧客が本当に求めている商品、サービス、価格に対して、的確な取り組みができるようになるかどうかがカギとなるだろう。 この'的確な対応'をするための仕組みづくりをすることが、正しいFSP/CRMの取り組み方である。

●商品カテゴリー・マネジメントの上位概念としてのCRM
そういう意味では、顧客のニーズが何であるかを正しく把握するための'顧客カテゴリー・マネジメント'が先にあって、その上で顧客満足を満たす品ぞろえをする'商品カテゴリー・マネジメント'がくるというのが正しい取り組み順になる。

正しい顧客ニーズにこたえるために、どのようなデータ分析をして、どのような対応をするのがいいのか、また得られる結果に基づいてどのようなアクションを起こすことができるのか、そしてそれにより、どのような期待効果が得られるかについて考えてみたい。


2.なぜ上位顧客なのか


  ホーム|  日経ストラテジー連載